溶岩プレートのお手入れ
洗剤を使わない理由、茶色い水、カビ、保管

溶岩プレートは、食器用洗剤では洗いません。石が洗剤(界面活性剤)を吸い込み、次に焼く食材に移るおそれがあるためです。お手入れは、冷めてから金コテやタワシで汚れを落とし、水かお湯で流すだけで十分です。洗ったときに茶色い水が出るのは正常ですが、カビが生えた石は使えません。
1. なぜ洗剤を使ってはいけないのか
溶岩プレートには目に見える気泡(孔)があり、水分や脂をよく吸います。焼いたときに余分な脂を吸ってくれるのは、この性質のおかげです。
ところが同じ理由で、食器用洗剤(中性洗剤など)を使うと、洗剤に含まれる界面活性剤まで石の内部に吸い込んでしまいます。吸い込まれた洗剤はすすいでも抜けきらず、次に火にかけたときに食材へ移ります。石工はこう言います。「食器用洗剤のご使用はお控えください。通常は水やお湯での洗浄です」と明言しています。
洗剤がなくても、溶岩は頑丈なので金コテで強くこすって落とせます。洗浄剤を使いたいときは、溶岩のために用意された専用洗浄剤アルカナ(「4.」で説明)をお使いください。
2. 毎回のお手入れ(基本の洗い方)
使い終わったら、次の順番で洗います。道具は金コテ(金属製のヘラ)と固めの植物性タワシがあれば足ります。
- 十分に冷ます。熱い石に水やお湯をかけたり、漬けたりしないでください。急な温度差で割れることがあります。手で持てる温度になるまで待ちます。
- 金コテやタワシで汚れをこそぎ落とす。溶岩は頑丈なので、金コテでがりがりとこそいでも問題ありません。焼きカスや脂のこびりつきを落とします。
- 水かお湯で洗い流す。洗剤は使いません。残った汚れはタワシでこすりながら流します。
- 汚れがひどいときは、火にかけて炭化させる。ガスコンロでしばらく加熱すると、こびりついた汚れが炭になって落ちやすくなります。加熱中に浮き出てきた汚れは、濡れタオルなどで拭き取るとさらにきれいになります。
- 内部まで乾かす。洗った後は、石の内部までしっかり乾燥させてから保管します(「5. 乾燥と保管」)。
使ってよい道具・避けたい道具
| 道具 | 使う/避ける | 理由 |
|---|---|---|
| 金コテ(金属製のヘラ) | 使う | 溶岩は頑丈で、強くこすっても傷みません。こびりつきを落とす基本の道具です。 |
| 固めの植物性タワシ | 使う | 石工のおすすめ。石を削らず、色も移りません。 |
| 金属製・プラスチック製のタワシ | 避ける | タワシのほうが削れて、溶岩に色が移ることがあります。 |
| 食器用洗剤(中性洗剤など) | 使わない | 界面活性剤を石が吸い込み、食材に移るおそれがあります。 |
| 専用洗浄剤アルカナ | 使ってよい | 低残留性で、軽くすすぐだけで洗浄が終わります。 |
なお、溶岩の上でナイフを使っても石は傷みません。
3. 茶色い水が出るのは正常です
洗ったときや火にかけたときに、プレートから茶色い水がにじみ出ることがあります。これは正常で、不良ではありません。溶岩は内部まで水分と脂を吸う石なので、吸い込まれていた脂や汚れが、水や熱と一緒に表に出てきたものです。
火にかけて出てきた汚れは、濡れタオルなどで拭き取ればよりきれいになります。また、食材を焼き始めれば、その脂が表面に新しい膜を張るので、汚れは気にならなくなります。
4. 専用洗浄剤アルカナ(スプレー/漬け置き)
水とお湯だけでは落ちにくい脂汚れには、溶岩専用の洗浄剤アルカナが使えます。低残留性で、経口毒性は食塩以下。水を吸う溶岩でも、軽くすすぐだけで洗浄が終わります。使い方は「スプレー」と「漬け置き」の2通りです。
スプレー洗浄の手順
- アルカナをスプレーボトルに入れ、約36〜60℃のぬるま湯または水を注いで溶かします。使用後の汚れたプレート表面に、直接吹き付けます。
- 金コテなどで、表面の汚れをこそぎ落とします。
- 最後に、軽く絞った濡れ布巾やタオルで表面を拭いて仕上げます。
漬け置き洗浄の手順
- 粉末のアルカナをすくって用意します。
- バケツ・ペールタンク・シンクなどに、約36〜60℃のお湯または水をため、アルカナを溶かします。
- 手で持てる温度まで冷めたプレートを、溶液に完全に沈めます。
- 数時間(一晩ほど)置いた後に取り出し、固めの植物性のタワシかブラシで軽くこすります。
- 水かぬるま湯でごく軽くすすいで終わりです。低残留性のため、念入りにすすぐ必要はありません。
5. 乾燥と保管
洗った後は、石の内部までしっかり乾かします。表面が乾いて見えても内部に水分が残っていることがあるので、火にかけて乾かすのもおすすめです。
- 次に使うまでが短いとき(数日〜10日前後):新聞紙などを敷くか、空気を含むように軽く包むか、ホコリよけとして上からかけておきます。
- 長く使わないとき:袋や新聞紙で包まず、溶岩をそのまま風通しの良い場所に置きます。
- いちばん良い場所:太陽光が入り、風通しの良い場所(キッチンの窓側など)。
ビニール袋などで空気の流れを遮断してはいけません。内部に水分がわずかに残っていると、密閉した中でカビが発生するおそれがあります。
保管場所の良い順
| 順位 | 保管場所 | 評価 |
|---|---|---|
| 1 | 太陽光が入る、風通しの良い場所 | 最も良い |
| 2 | 太陽光が入る場所 | 良い |
| 3 | 風通しの良い場所 | 良い |
| 4 | たまに換気を行う空間 | 避けたい |
| 5 | 密閉空間(ビニール袋・密閉容器など) | 不可(カビの原因) |
6. カビが生えたら、使わない
長く放置してカビが生えてしまったプレートは、残念ですがそれ以上のお手入れ方法がありません。使用をやめてください。
理由は、カビの中には少量でも強い毒性を持つ種類があり、その毒素は高温で加熱しても残るものが多いからです。加熱で死滅する種類もありますが、どの種類かは専門家による高度な検査でなければ特定できません。「焼けば大丈夫」とは言い切れないため、万一を避けて使用を控えていただいています。
カビを防ぐいちばんの方法は、洗った後に内部まで乾かし、密閉しないで保管することです(「5. 乾燥と保管」)。




